このバンドのことは以前にも取り上げているのですが、Splinterはオランダの5人組。2004年9月、既に8曲入りのデモCD・"Devil's Jigsaw"をリリースしていた彼らは、The Flower KingsのJonas Reingoldの別バンド・Karmakanicのライヴのサポートをつとめ、これが縁で、製作を予定していた正規のファースト・アルバムをJonasにプロデュースしてもらうことになりました。
この後彼らは2005年春にThe Flower Kingsのインスト別働隊・Circus Brimstoneの欧州ツアーでも2回オープニング・アクトとしてライヴをし、初夏にはスウェーデンのマルメにあるReingold Studioで、アルバムの録音がスタートします。当時のSplinterのサイトにあったレコーディング日記には、楽しそうな様子がつづられていました(ちなみにこのスタジオにはKarmakanicのメンバーのZoltan Csörsz (ds)、Lalle Larsson (key)らがコンスタントに出入りしていたようで、レコーディング日記には彼らとの交流の様子も載っていました)。
ところが、ここからが長かった! アルバムの完成を前に、ヴォーカルのRock Hoekstraが脱退。オーディションを経て、後任ヴォーカルにEwout Ongeringが決まったのが、2006年の5月か6月ぐらいだったでしょうか。そこからレコーディングのやり直しが行なわれ、さらにレコード会社との契約を探していた為、さらに時間がかかってしまいました。
そんな難産の末、自主制作ながらようやく昨年末にリリースになったのが、この"Dreamers"です。デモCDからは大曲が2曲残っており、また1曲目の'Goodbye'にはJonas Reingoldがフレットレス・ベースのソロで、8曲目の'Korsakov'にはZoltan Csörszがゲストで登場しています。
Ewoutのヴォーカルは、レンジ的には前任のRockと似たような感じですが、Rockのリッチで甘さのある声と比べると、もうちょっとザラッとした感じで、厚みには少々欠ける感じでしょうか。一方、6曲目(厳密に言えば'Reflections'の一部ですが)や'Korsakov'で芝居気のある歌い方をしていますが、こういう歌い方はRockには無かったと思うし、Ewoutの加入で得た幅の広さのように思います。
元々Dream TheaterやSpock's Beard / Neal Morseの影響がかなり強く感じられた彼ら。まだたまにギターがDream Theaterっぽかったり、キーボードがNeal Morseっぽく聴こえる部分があったりしますが、以前よりその影響はあからさまではなくなっています。デモCDにも収められていた'Reflections'と'Devil's Jigsaw'の2曲は、どちらも新しいアレンジを加えられていて、特に'Reflections'はインス部分がもっと練られ、デモCDでは勢いはあるけれど弾きっぱなしっぽく聴こえていたのに対し、非常に丁寧に作られているという印象を受けました。また、7曲目の'Anthony's Songs'はジャズ・テイストをまぶし、成熟した雰囲気を漂わせています。
製作に時間がかかったこともあってか、彼らの持つはつらつとした雰囲気が少し抑えられているようにも思えますが、キャッチーな'Goodbye'(1曲目)や、どこかA.C.T.を思い起こさせる'Korsakov'などに代表されるように、メロディアスでありながら叙情的になりすぎず、テクニカルな部分を持ちつつも全体のアンサンブルや曲自体を重視した作品になっています。
(なお、初回プレス分はライヴ映像等の入ったボーナスDVD付きです。)
Splinter, "Dreamers" (2007)
Splinter Official HP: http://www.splinteronline.com/
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